超月幻想


欠ける事の無い 永遠なる満月に
遠い過去の記憶重ね 思い馳せ目を閉じる

消える事の無い 罪を犯し逃げ遂せ
幻想の郷に隠れ住み 永い時代を生きる

乱れ咲いた花もやがて 朽ちて土に還る
「何度目の景色だろう?」 俯き口を噤む

守るしか出来無い 果すべき唯一の運命
恐れる事は無い  罰を
隠す事は出来無い 後悔と望郷の思い
戻る事は出来無い 咎めを


明ける事の無い 不滅の夜を越え
月の民の導くままに いつか望む場所へ

夜空に輝く星々も 儚く無に還る
「戻る場所など何処に有る?」 思い胸に秘める

薬は効か無い    深い心の病には
知識では解け無い  謎を
留める事は出来無い 赤く光る月の狂気
還る事は出来無い  永遠を廻る


揺らぐ事の無い 色褪せる事無い

守るしか出来無い 果すべき唯一の運命
恐れる事は無い  罰を
隠す事は出来無い 後悔と望郷の思い
戻る事は出来無い 咎めを


叶うならば……

命渇な意図


午前零時 鐘の音で解ける
恋の魔法を掛けて
壊して直して創り上げたのに
壊れた物語

そう 初めてを沢山貰い
初めてをあげたけど
私の知らない誰かの香りに
少し疲れたから

何時も通り在り来りな
嘘を付いて笑うけれど
いいの 今日は 私も嘘
付いているから

引き寄せたら 私の名前を呼んで
何もかも忘れて さあ一つになろう
強く 抱締めたまま ”いって”
渇き切った中に 消えない傷残して

ああ もういいの 一番欲しい
ものは手に入れたから
壊して直して創り上げたなら
壊してしまうだけ


硝子の靴履いて踊る
お姫様に憧れて
何処が違う?何が違う?
ねえ教えて

突き立てたら 私の名を叫んで
頬を伝う愛を 紅く染め上げて
強く 抱締めたまま ”いって”
私しか知らない 貴方の顔残して

夜が明けても 目を閉じたまま泣いて
訪れた孤独が 結末だとしても
いいの 私は独りでいい
宿る種がやがて 産声を上げる迄は

虹色ラインレイ


流れる雲を 眺め続けるだけの
気楽な日々は 何故か重荷になって

沈む夕日は 綺麗で好きだけれど
夜が来るのが 怖くて直ぐ目を閉じた

繰り返す事に慣れすぎて
それが義務だと勘違いした
目指した場所は遥か遠く
足踏みしている暇など無い

迷ってしまう時や 疲れた時
少し休めばいい ほら紅茶でも飲みながら


無駄な事でも 気持ちを込めてすれば
いつか必ず 虹の橋が架かるから

ふとして自分に問いかける
そこには何が待ち受けるのか
上手くは答えられないけど
理由など無くても構わない

躓いて転んでも 立ち上がれば
昨日の自分より 少しは強くなれるかな


守るべきものが在る ここには有る
日はまた昇るから もう雨は降り止むみたい

喜びと出会う時 嬉しい時
もっと笑えばいい ほら紅茶でも飲みながら

忘失の霞桜


朝の日差しを恐れて 夜の帳を羨む
終焉を望む度に 消え逝く事を躊躇う

乱れて舞い散る桜花が 夜を染めて
僅か微か動いた 淡い花影を包む

翳した 掌
ふわり振れてゆく桜
枯れ逝く事を 楽しむかの様に
微笑み 囁く
「私も連れて行ってよ」
見上げた空に 憂いだけが残った


欲しいのは華じゃなくて たった一つの確証
完成を望む度に 跡形も無く崩れる

色褪せた記憶の中で誰かが呼ぶ
忘れ去った記憶の消えた名前を叫ぶ

握った 掌
振るい方すら知らずに
痛んだ腕が 紅い花を咲かす
虚ろに 呟く
「私はここにいますか」
見下ろす空に 弱さだけが残った


花も人も
枯れて朽ちて永久に還るから
もう 明を背にして

翳した 掌
ふわり振れてゆく桜
偲ぶる事を 労るかの様に
確かに 囁く
「私はここにいるから」
見据えた空に 決意は咲き誇った

公開音源

制作したアレンジの一部をSoundCloudにアップロードしてあります。.wavで上げているので 是非ダウンロードしてお楽しみください。